ゴールドマンサックス社の社員ボランティアの方々と、こもれび荘でパン作りをしました。

　デニッシュ生地を冷蔵発酵させて前日から仕込んでおくはずだったのですが、バターが入手困難で（準備が甘かったんです。はい、反省しています）、なんとか調達したものの、その焦りから無塩でなければならないのにそこのチェックを怠り（軽いパニック状態になっていた）、失敗しました・・・。普通のパンならば、油脂の配合がそんな多量でもないので全体の塩分調整で何とかできなくもないのですが、デニッシュは折込の油脂量が半端じゃないので、もー、この失敗は壊滅的。どうにもならんです・・・。

 と、いうわけで、当日仕込みのロールパン生地を急遽予定の1.5倍量で仕込みました。しかーし、夏だからホイロ（発酵器）なしでも発酵が、進む進む。さあ、困った！冷蔵庫（いったん発酵を止める）や、オーブンのスチーム発酵機能（再度発酵させる）を使って何とか乗り切り、開始の1時になんとか生地を用意します。

　ただ、用意できた生地は、すべて同じ工程が必要な状態ですから、参加人数が結構いたので、どんどん成型が進んでしまい、あっという間に窯待ちに！オーブンは1つ。しかも2段焼きですから、1度にはどんなに頑張っても24個くらいしか焼けないのです。「ひゃー困った！」と内心焦りまくりましたが、そんなところを見せてはみんなが余計に困ってしまうので落ち着いた振りをしつつ、なんとかパンに念を込めます。「ナントカ、ウマクヤケテクレ～」

 そんな私の水面下での必死な思いとは関係なく、作業はどんどん進んでいきます。参加者も、予想よりたくさんで（総勢17人）、午後1時開始でしたが、開始後も三々五々、現れます。ま、そのアバウトさと言うかゆるさこそが、グリネイズム！グリネの方針が「自分と繋がろう」なので、みんな自分時間、自分ルールです。一見無法地帯みたいですが、そうじゃないのですよ。周囲に合わせすぎて、自分を見失ってしまった人たちが、もう一度自分探しに出かけ、自分を見つけ出して繋がりなおすことを目標にしてるんです。「あえて」自分中心を練習する場所なんです。ですから、常にカオス。でもその中で、一人一人が自分らしさと、他人を尊重することのバランスを選び取っていくのが自然なのだと思っています。この姿勢は「見守る」ともいえますが、「放置」ともいえますね。その見極めができるように、精進しなくちゃならんと思っています。みなさん、言えずにいる苦情もたくさんあるでしょうね～。未熟者ですが揉まれながら少しずつ成長していきますので、あきれずに長い目でよろしくお願いします。

 と、いうわけで、パンも焼け、いい匂いが漂ってきます。お皿を出してもらい、一皿6個見当で並べてもらいます。今回作ったのは、チーズロール、ハムロール、ウインナーロール、キンピラゴボウ入りパン（ベジタリアンの方がいたので）、チョコチップパンです。

 とりあえず、プレーンな生地なので、具は何でも入れて平気～。そのほうが作るほうも楽しいだろうということで。

 キンピラは「どんな味かな？」と半ばこわごわでしたが、案外おいしくて意外でした。

 食べながら、ぐるっと自己紹介を一巡し、いろんな話で盛り上がりました。英語でお話しする社員さんがいらっしゃいましたが、こちらにも英語が話せるメンバーとスタッフがいましたので、日本語と英語が入り混じるなか、みんなでパンとおしゃべりを楽しみました。

　境遇も、状況も違えども、おいしいものをおいしいと感じる心や、楽しいこと、うれしいことを感じる心、つらいこと、苦しいことを感じる心は同じだよねって、それぞれ口に出さなくてもシェアできたひとときでした。知識として知ることも手だとは思いますが、予備知識や思い込みをいったんまっさらにして、触れ合うのもまたよいものです。脳で知った気になるか、心で知るか、なーんて言うといいすぎかしら？